THE TREE OF LIFE ~生命の木~

世界日記 (本編)


   
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野宿1

↑11月のリヒテンシュタインで野宿!



11月3日夜にマンハイムを出発した僕が、リヒテンシュタイン公国の首都ファドゥーツに着いたのは4日の23時ちょっと前だった。
当然の事ながら比較的安い宿は満室(或いは閉まっていて)、空いていたのは一泊200ユーロもする高級ホテルだけ・・・。
野宿を決断せざるを得ない状況の中、昨夜自分が犯したミスを悔いながらも、なんとか寒さをしのげる寝床を探した。
そんな場所などないと分かっていながらも・・・。

野宿2

↑凍死直前の気分を、電話ボックスの中で味わった



「何をしてるんです?!」
電話ボックスの中で胡坐をかく東洋人を懐中電灯で照らし、深夜の見回りをしていたガードマンはそう尋ねてきた。
最初は外で耐えていたのだが、座っているだけでケツが凍るほど冷えたため、ここで寒さを凌いでいる、と僕は彼に伝えた。
驚きを隠せないでいた彼に、僕は宿を取れなかった理由を簡単に説明し、自分がただの愚か者であって特に怪しい人物ではない事を主張した。
なんとか、その場は通報されずに済んだ。

野宿3

↑観光地・リヒテンシュタイン(Riechtenstein)の看板



衰弱して行く己の体が数分毎に実感出来た。
持参のカイロでどんなに体温の低下を防いでも、明らかに全身の感覚は薄れて行く・・・。
やがて強烈な睡魔に襲われ、カイロを持つ両手の握力すら自らの意思ではコントロール出来なくなる・・・。
自分が凍死への一本道を歩んでいる事に気付く・・・。
「眠ってはいけない!」と自分に言い聞かせながら、何度も場所を変えては少しずつ休憩した。
リヒテンシュタインの看板を横目で見ながら、改めて自分の未熟さを再確認した。
結局、風だけは防げる電話ボックスに再び戻った僕は、ゆっくりと両まぶたを閉じた・・・。
「もう、駄目かもしれない・・・」、そう思いながら・・・。

「大丈夫かい??」
またしても眩しい光が僕を照らした。
「こんな所にいたら死んでしまう!!一緒に来なさい!!」
さっきのガードマンは有無を言わさず僕を電話ボックスから連れ出し、そう言った。
朦朧とする意識の中で、僕はただひたすら彼について行った。
そう、・・・生き残るために。

「ここなら外よりマシだろう?暖房つけておいたから。始発のバスが来るまで、ここで休むと良いよ。」
暖房によってしっかりと暖まった室内、横になって休めるベンチ・・・、そこは正に天国だった。
ガードマンは閉まっていたバスの待合室の鍵をわざわざ開けてくれたのだ・・・。
僕のために、暖房のスイッチまでつけて・・・。
嬉しかった・・・。
更に彼は一杯のインスタント・スープを僕に手渡し、「体、温まるから」と言って勤務に戻って行った。
・・・人生で最も美味しいスープだった思う。
大した観光も出来ずに辛い思いばかりした小旅行ではあったが、僕はこのリヒテンシュタインという国が大好きになった。
「また来よう!」、そう心に誓った。

野宿4

↑美味しかったです、ありがとうございました。



2004年11月4日・5日の思い出
proudjapanese
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