THE TREE OF LIFE ~生命の木~

世界日記 (本編)


   
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白砂漠や黒砂漠、西方砂漠にクリスタル・マウンテン・・・。
エジプトの砂漠には、旅行者を惹き付ける魅力的な名所が数多く存在する。
21世紀の現代社会から離れ、広大な砂漠をジープで疾走し、キャンプファイヤーを皆で囲みながら夜空一面に散らばる無数の星を眺める。
やがて東から昇ってくる朝日に見惚れ、黄金色の空間に我を忘れる・・・。
僕にとって、一泊二日の砂漠ツアーは、エジプトで最初に体験したインパクトの強い思い出となった。

砂漠1

↑白砂漠


ツアーの基点となる村バフレイヤ・オアシス、カイロからのバスで僕が到着した頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。
騒々しい大都市カイロとは打って変わって、非常に穏やかな雰囲気だった。
「観光客はバスから降りた瞬間、大勢の砂漠ガイドに囲まれる」、そう聞いていたのだが・・・、砂漠ツアーの客引きなど全く見当たらなかった。
まぁ、夜遅くに着くバスだったので、当然と言えば当然か。
とりあえずホテルを目指し歩き出そうとしたその時、一人の男が僕に声をかけてきた。
自称・砂漠ガイドのその男から手渡された一枚の名刺には、太字で「Desert Tiger」と書かれていた。
彼からの説明は一通り聞いたが、この「砂漠の虎」にツアーを依頼するかどうかは、料金に関する事や見て周るポイント、更に食事の有無などの条件をじっくり話し合った上で決めねばならないと判断し、明日の午前中にもう一度会う約束を交わした後、僕は一人でホテルに向かった。

砂漠観光というのは実にやっかいだ。
欧州の古城や教会を訪ねるのとは訳が違う。
公共の交通機関を利用して簡単に出向く事など出来ないのだ。
本来、僕の旅のスタイルは個人自由旅行タイプで、なるべくツアーへの参加はしない。
生粋のMという事もあり、出来るだけ辛い思いをしながら低予算で周遊するのを良しとする。
しかし、この砂漠という大自然を安全かつ効率的に満喫するには、残念ながらその地を知り尽くしたガイドによるツアーに参加せざるを得なかった。
基本的にツアーの料金は車(ジープ)一台で値段が設定されており、一人当たりの出費を抑えるには数人でシェアする事が絶対条件となる。
また、何人かで参加する場合も、事前に食事の内容や持参する防寒具などのオプションについては、事細かに話し合っておく必要がある。
トラブルを避ける為には、観光するポイントだけでなく料金の支払い方法等もしっかり確認しておくのがセオリーと言える。
とにもかくにも一人で村に到着した僕にとっては、まず一緒にツアーに参加する旅人数人を見つけ出す事が最優先課題だった訳だが、それは翌朝カイロから来た韓国人家族(3人)と出会えた事で簡単にクリア出来た。
午前中、全ての条件をキッチリと話し合った上で、結局「砂漠の虎・アザム」を雇い砂漠に向かう事が決定した。
ちなみに、韓国人家族が乗ったカイロからのバスがバフレイヤ・オアシスに到着した時は凄かった。
観光客争奪戦が群がる自称ガイド達によって行われ、その白熱ぶりといったらワールドカップ以上だった。
客の横取りを企てた一人の砂漠ガイドに対してアザムが飛び蹴りをカマした瞬間、何故彼が「デザート・タイガー」と呼ばれているかが少しだけ理解出来た。

出発してから約二時間、舗装された道路と黒砂漠ロードを交互に走り抜け、午後四時頃にはキャンプ地である白砂漠に到着した。
アザムとガイド補助のおじさんが二人でテントの準備をしている間、僕は韓国人家族と「ヨン様」「ピ様」などのしょーもない話題で盛り上がっていた。
やがて漆黒の闇が砂漠全体を覆った頃、アザムが自慢げに東の方角を指差した。
「ムーン!」、・・・月である。
月が東から昇ってくる・・・、当たり前の話だが、日常生活の中で我々がこの光景を目にする事はあまりない。
我々が知っている月とは、気付けば上空に薄っすら浮かんでいるものだからだ。
しかしここ砂漠では、輝きを放ちながら月も東から昇ってくる・・・。
エジプト最初の感動は、この瞬間に感じた。

月が完全に昇りきった頃から、若干辺りは明るくなった。
月光とキャンプファイヤーの灯りの中、僕等はベドウィン流の踊りやゲームを楽しみながら時間を過ごした。
アザムが作った料理は本当に美味しかったし、食事中にヒョッコリ現れたキツネ君も愛らしかった。
食事の後、僕は一人でゆっくりと白砂漠を散歩してみる事に・・・。
そこには、無音の世界が広がっていた。
自分以外は何も存在しないような不思議な錯覚に捉われ、僅かな月と星の輝きだけが延々と続く砂の大地を照らしていた。
ただただ静かな時だけが流れ、風の音すら存在しない無音の世界・・・。
僕は大自然に囲まれながら、エジプト二度目の感動を味わった。

深夜二時過ぎ、アザムが用意した寝袋に包まり三枚の毛布をかぶって眠りに・・・、つけない!!
眠れるはずがない!!
寒い、死ぬほど寒い!!
結局僕は、ほとんど寝る事が出来なかった。
「自然とは、美しいだけのものではなく、恐ろしいものでもある!」、エジプトに来て最初の恐怖を僕はこの夜体験した。

砂漠2

↑日の出


午前六時過ぎ、僕等は待ちに待った朝日を目の当たりにした。
薄いピンク色の太陽光が砂漠に反射し、黄金色の空間を作り出す。
「寒さに耐えてまで、この瞬間を待ったかいがあった」、僕はそう思った。
この時目に映った光景が、僕をエジプト四度目の感動へと誘った事は言うまでもない。
その感動を胸に抱いたまま、僕等は西方砂漠やクリスタル・マウンテン、黒砂漠を見て周った後、バフレイヤ・オアシスに戻ったのだった。

砂漠3

↑黒砂漠と俺


「あれ??では三度目の感動はいつ味わったの??
・・・その答はここには記したくない。
とりあえず今回は、このままキレイに終わっておきたいと思う。

2005年12月17日・18日の思い出
proudjapanese
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