THE TREE OF LIFE ~生命の木~

世界日記 (本編)


   
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エジプトを訪れて一週間以上が経過し、僕は心底疲れていた
しかしこのアブ・シンベルという小さな村は、そんな僕を温かく迎え入れ、そして癒やしてくれた。
今回は、エジプトに行って初めて経験した真実の温もりについて記していきたいと思う。

アブ・シンベルと聞いて、誰もが頭に思い浮かべるのはアブ・シンベル大神殿だろう。
巨大な一枚岩から成るその雄々しい姿は、訪れた人々に古代文明の高さを認識させ、同時に建設を命じた古の英雄ラメセス2世の強大な権力を思い知らせる。
またこの神殿は、かつてアスワンハイダムの完成による水没の危機に立たされていた時、ユネスコが大々的な救済活動(移築工事)を行った事でも一躍有名になった。
現在ナセル湖を見下ろすこの神殿は、古代と現代の技術と努力の融合体として、僕の胸に大きな衝撃を与えた。
特に朝日に照らされた時の神殿は、普段とは一味違った優しい表情を見せ、ついつい見惚れてしまったのを覚えている。
遺跡の宝庫と呼ばれるエジプトの中でも、代表的な見所として認知されているアブ・シンベル大神殿・・・、そこには年代を超えた全人類の魂が込められていた。

アブシンベル1

↑朝日に染まるアブ・シンベル大神殿


エジプト旅行最大の目的であったアブ・シンベル大神殿の訪問、期待通り今まで見た数々の遺跡の中でも最上級の神殿だったと感じた。
しかしそれ以上に、僕にとってはこの村で口にした夕食の味が忘れられない。
神殿からホテルに帰る途中に話しかけてきた二人の男、サフィーとハッサン。
神殿で働くこの二人のヌビア人のおかげで、僕はアブ・シンベルという小さな村で最高の思い出を作る事が出来た。
夕食に招待され、彼等の家族と一緒に食卓を囲み、お互いの母国について話しながらヌビア料理を味わった。
食後はシャイを片手に皆で踊り、疲れたらシーシャ(水パイプ)を吸ってちょっと一息、そしてまた踊り出す。
深夜まで騒いだ後、サフィーと彼のご両親が僕をホテルまで送ってくれた。
車から降りる時、サフィーは僕に大きな箱を手渡して言った。
「美味しいから食べてね!」
彼のお母さんによる、お手製アラブ菓子の詰め合わせだった。
「いつもより甘くしておいたからね!他では買えないよ!だから、食べたくなったらまたおいで!」
ヌビア人独特の愛敬溢れる笑顔を浮かべたサフィーのお母さんは、車の窓越しにそう叫んでいた。
運転席にいたお父さんは、一言「良い旅を!」とだけ言って手を振った。
結局最後まで金の話を一切出さないまま、彼等は去って行った・・・。
視界から消えて行くオンボロ車に手を振りながら、どこかで彼等を疑っていた自分自身を恥ずかしく思った。
金目当て以外で受けた歓迎・・・。
それがどんなに嬉しい事だったかは、ヘビーなアラブ諸国を一人で旅した者でなければ分からないかもしれない・・・。
この日に過ごした一夜こそが、僕のエジプトでの最高の思い出であったと言える。

アブシンベル2

↑エジプトで初めて出会ったイイ奴、サフィー


世界遺産アブ・シンベル大神殿は、言うまでもなくエジプト最大の観光名所だ。
毎日、世界各国から大勢の観光客が押し寄せる。
しかし訪れる観光客は、日帰りで神殿だけを見にくる人がほとんどだ。
この村に神殿以外の名所がない事や、スーダンとの国境近くというこの村の位置関係からか、訪れる人はツアー客はもちろん、個人旅行者もアスワンからの日帰りツアーに参加するのが一般的とされている。
僕のように、現地人が利用するローカル・バスに乗ってこの村を訪れる変わり者なんてほとんどいない。
よって、アブ・シンベルの村自体は驚くほど観光地化されていない居心地の良い所だ。
当然、観光客ズレした悪徳商人や客引きなども(僕が見た限りでは)いない。
確かにホテルやレストランなどの施設は異常に少ないが、光りと音のショー(ライトアップされた神殿)や朝日に染まる神殿などは日帰りでは堪能できない。
だから僕は、是非この村で宿泊する事をお勧めする。
何よりも、明るいヌビア人の広い心に触れる事ができると思うから。

2005年12月20日・21日の思い出
proudjapanese
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